読み上げ、声端末によってウェブの表現が回帰する可能性について考える
音声表現の可能性の萌芽として
最近、Amazon EchoやGoogle homeなの音声端末などが発売されていますが、それらはもしかすると、数年以内にWebメディアの大きな回帰、つまり、テキストメディアへの姿に戻る状況が起こりうるのではないか、と考えています。
今、Webメディア、特に若い人などは動画再生サイトのYouTubeなどが娯楽の一翼を担っていますが、YouTubeの一番の利点とは、それは少なくともトーク系などであれば、「ながら聴き」もしくは、「ながら見」ができる点です。
それはブログなどは異なり、「自分が読む必要がない」ですし、また、何かの作業しながらそれらの情報を得る事ができるメリットがあります。
それに対して現時点ではテキストサイトもしくは、ブログは自分がそのサイトを読む行為が必要ですが、これが今後、いわいるAI的な、もしくは、文章読み上げ行為が、より洗練される事で、その役割が動画ではなくテキストに回帰するのではないか、と私は思うのです。
動画サイトの限界の可能性
今ブロードバンド通信回線の圧迫が動画サイトによって生じていると言われています。
確かにテキストのサイズがせいぜいCSSやJavaScriptなどを含めて1Mバイト程度もしくは、最大でも10Mバイト程度である事を考えるとYouTubeの再生サイズのは数百Mバイトになる事さえあります。
また、これは、さらに別の側面として、それらのインフラの維持管理を日本はもはや困難になりつつある社会なのではないかと、思うのです。それは、少子高齢化、産業自体の寿命、社会全体の衰退傾向としてです。
事実、現時点で技術系の企業では、もまともな人材を取る事ができないなどの、人材不足による問題が生じていると聞きます。
そのような状況での読み上げのテクノロジーの発達、そこにAIの技術、インフラの維持の限界による大容量データの転送の頭打ち、もしくは、衰退などを考えると今後テキストメディアの復興は大いにあり得るのではないでしょうか。
これはWebにおける、「逆」進化、つまり、ウェブがテキストから動画に移り、それが、再びテキストに戻る、そんな状況が生まれるかも知れません。
テキスト読み上げに対する書き手へのインセンティブについて
ただ、では、その場合、そのテキストコンテンツを作った者が、どうやって収入を得るのかの、との問題が生じてきます。
それは、AIであるからこそ、それらのブログのソースを読み込み、そこに埋め込まれている広告スクリプトを読み上げの形でCMとして挿入すれば、コンテンツ作者に対する報酬の還元は可能かもしれません。
現在、ラジオなどでは15秒CMなどもありますし、それをWEBでよりお手軽にするのであれば10秒CMなどでも全然良いかも知れません。
私は基本的にはAIについてはあまり期待はしていないのですが、少なくともそのような人間の作ったテキストの新しい活用方法としてのツールとしては、AIは非常に大きな可能性があるのではないか、と考えます。