某企業での危険事案に対する最悪の対応と、その行動の根本について考える
人材育成の考え方として
過去に経験した、人材育成に繋がる話を紹介します。
それはある職場で起こった出来事です。
高温で稼働する設備を扱い、製品を生産する工程を管理していた職場で発生した出来事です。
トラブル発生
高温で動作している機械は、場合によってはチェーンが切れたり、製品が落下したりする、ボヤ的な煙が発生する場合があります。私にとって10年来の職場で初の出来事が起こったのです。
その機械から煙発生。ボヤです。
処置
その時、当時の機械を担当していた担当者が消火器で消化。無事大火にならず機械内部のみのボヤで済み、「ほっ」とした瞬間でした。
消化作業の評価
この時私は、消火器を使ってよくぞ消化してくれたと担当者にお礼を言い、この出来事を広く紹介し、また的確な判断であった事を、事例集としてまとめた記憶があります。
上司の評価
使用した消火器は、炭酸マグネシュームの粉末消火器で、水分はないが粉末が飛ぶものでした。これを使用した事に言及した上司がいました。
『火を消したのはいいが、他の製品がボツになったり、職場全体の清掃をする必要がある』
のでいい評価をしない、本来、「他の方法」で火を消すべきである。
との主張でした。
本当にあきれます
まさか火を消した的確な行動をした人に対し、なんという評価でしょう。あまりにもひどい常識外れの考えを持った人です。自分の評価を気にするあまり、大切な事が見えない人と言わざるを得ません。
ボヤを出した、製品をロスった、これを気にし、ボヤで食い止めたことを忘れている!
何が一番大切?
けが人を出さなかった事 火災にしなかった事、これが全てで、評価に値します。
初期の消火器使用も、噴射もすべて的確な判断とタイミングでなされたと感じています。
部下を持つ人へ
この事例のように、何が大切かを見失ってしまう、自己保身に走る人は部下は持たないほうが良いと考えます。まして、若い部下の伸びる芽を摘むような言動はもってのほかです。
人を育てるには数年から数十年スパンで考える必要がありますが、人材不足の今の状況下、長い目と、真の正解を解った上で言動すべきと考えます。